酒は飲んでも飲まれるな
アルコール度数0%
情報の秘匿における価値の上昇値は、先日述べた通り"宣伝"によって増加する。
私が抱いたアルコールに対してイメージ・価値は、0歳から20歳になるまでに積み重ねられた広告の累積と同じである。アオリからフカンに変化した、テレビ画面はダイエットに成功した今でも映し出すものは、旨そうにグラスを仰ぐ紳士淑女、所によりおっさんである。その味を想像できぬ頃でも、砂漠のオアシスのごとき蜃気楼を眼前に映していた。
おまけに、「お酒は二十歳になってから」というキャッチコピーと化した法制度がトッピングされている。カリギュラ効果というものは、聞いたことがある人も多いであろう。するなよ、絶対にするなよ!は、したくなるっていうアレだ。素晴らしきトッピングだなこれは、と感心までしてしまう。果汁の濃度を誇るしかない果物汁とは異なり、ただただ旨そうに飲む。こんなに宣伝上手な事は他になく、形骸化した虎柄のゴールテープを切らずにただただ引き延ばす。
しかし……。
酒は一合も飲んでいないのに、その価値はここが山頂であった。
アルコール度数10%
積み上げられた♦宝石♦の堅固なる城は、一夜にして崩落してしまった。
ツンと鼻腔に針を刺す香りには、拘りを感じた。だが、そこには影/カゲが潜んでいた。
影は光が強くなるほど同様に強くなる。では、この酒が光として視界を狭めさせるほどの強さを含んでいたかというと、これに対しては否と言う他無い。カレは、私の前に立つと無垢なジュースでしかなかった。影ばかりがその濃さを増し、残った最後の砦が香りであったという訳だ。つまり感想は、
『影が香りにまで及んでいた。』
この一文が全てである。そして、
影=アルコール
ここで分かれば、凡人級!ここでもよく分からない人の為に、
味はアルコールで壊滅状態
もう答えである。
梅のワインであったので、梅ジュースに独特な辛さが加わったものであると想像していた。そうでなくても、酸味と苦みが合わさった辛さ。これが私が望んだ最低ラインであった。これで十分であった。しかし、実際は身体の中を焼き尽くす火炎瓶であったわけだ。容赦なく投げ込まれた瓶は口内に破片を突き刺しながら、炎を流し込んだ。味に梅の酸味・甘味を残しているのであれば、まだ美味しいと言えたであろう。しかし、パンドラの箱のように優しくはなかった。ただの劇薬だった。
🍷
アルコール度数20%
……初めては、こんなものなのかとふと思い返す。
それもそうだ。初めてというものはプラスに働くことは少ない。あるとすれば、ギャンブルでビギナーズラックと、累計で負けてそうな自称ベテランが口にする位なものである。(これですら、プラスであるかどうかは初心者である我々にはわからないでいるが。)
今年で20歳だ。大人になるべきだと、何かにつけて言われることも増えていくであろう。我慢、観念、譲与、忖度、融通……、ここらまでしか今のところ思いつかないが、"大人の縁語"として用いることが可能でありそうな単語である。なるほど、何かしらに縛られるのが大人であるのだな。そう考えるとあの忌々しいスーツという装束も、体をやたら締め付ける。それでは、声を大にして言おう、
「社会人はドMである」
……モラトリアムという安全圏から暴言を吐いてしまい、申し訳ない。
━━━話を戻そう━━━
一つの嗜好品にここまでやけになるのもおかしな話かもしれない。たとえ、期待外れであったとしても、ここで私は、「苦手であった。」と一言いって白旗振って退散という形が望ましいのかもしれない。そうしないのは、酒が大人になった者たちの殻を破る為に存在するものであるからだ。
🍺
なんで、俺はそんな奴らが殻を破る為に楽しんで使用できるものを利用できないのか。その理不尽を感じずにはいられなかったのかもしれない。快楽物質ドバドバで、酒もグビグビと呷る。それが、できる奴が幸せなのか?
アルコール度数50%
🍸
20歳になってもいないのに酒を飲むのは、悪か?
たった1、2歳のフライングでも、法を破っているから悪なのか?
どーせ、知り合いの半分以上はやってるよ。50%を超えれば過半数。日本の民主主義(仮)なら正当な行為として認められよう。
ただ、俺は守った。ただそれだけ。凄いやろ。」と胸を張る。。。
🍺🍺🍺
アルコール度数100%
100日後に死ぬワニに、……消毒用アルコールを飲ませよう!…………、屍にはスイカの種を植え、春にはみんなで一升瓶を担いで花見をしよう……。花びらが……花火に変わり…………。
オイ!!!!!!!!!!なんで夜空に変わるんだよ!!!!!!!!!!!!
なんで…………、なんで変わるんだよ!!!!変わんなよ……、
コラ~~~~~~~~~~~www
これでもかって位ドロドロの濃厚梅ジュースの中にはアルコールが入っており……、
怒りのあまり…………中坊にはいってはいっていってッて………………、
………………
……
コケコッコー🐓
アルコール度数0%
「酒は飲んでも飲まれるな」
この格言は、伝承としてとても価値があるものだ。
火のない所に煙は立たぬ、とあるように言葉は0から生まれることはない。失敗した馬鹿な先人が、わざわざ残してくれたのだ。参考にしない手はない。
酒は古来から様々な作品の中心にあった。失敗の象徴であることも、褒美として成功の象徴として描かれることもしばしば……。どう扱うのかは、結局我々次第。ならば、
友と盃を交わす
こんな、酒が楽しいのであろう。
あとがき
正直、描き足りない。
酒に関する文学作品は、最後の章で述べた通りかなりの数存在する。それも古代から現代までの横の軸、伝説や小説、宗教作品、絵画などの縦の軸と、幅というより面で広い。
それらを全て絡めて描きたいものではあるが、出来上がりの質は保証できないので、見送ることにした。
ちなみに、アルコールの度数で酔ったような文章を書く演出において、度数100%の内容は突拍子も無いものであったが、これは私の夢日記(現存分)の複数個と『やばいクレーマーのSUSURU TV』をカクテルのようにミックスしたものである。特に全体に関わるような伏線などは無いので、ご了承いただきたい。